ゲーム製作(ゲ製)初心者がゲ製の心得を学べるWikiです。シナリオライター、絵師、音屋、スクリプター、プログラマー向けなど様々な講座があります(予定)。VIPPER向け。編集大歓迎。


概要

ここではゲーム向けBGMの作り方を説明する。ファイルのダウンロードや展開、インストールなどPCの基本スキルは身に付いているものとして進めていく。以下で解説する作り方はあくまでも一例なので自分なりの作り方を見付けていって欲しい。

オーディオインターフェースを準備する

まず音の出口を確認しよう。マザーボードに音声出力があれば音の確認は可能だが、音の入出力を司る機器であるオーディオインターフェース(以下、AIF)があると作業が捗るし、ASIOやCore Audioといったドライバを利用することでOSのソフトウェアミキサーを通した音より品質は良くなる。出力だけでなくマイクやギターの入力端子があれば、将来的に動画配信やボーカル/ギター録音をする際に機材を増やさずに済むメリットがある。最近のAIFは接続が簡単で、なおかつ低価格でも高品質のものが増えてきている。USB接続やThunderbolt接続など種類があるので、PC側の接続端子も確認しておこう。

以下、おすすめのAIFを紹介する。(左の+マーククリックで展開)

Steinberg UR12(USB接続、24bit/192kHz対応、実売1万円程度)

作曲ソフトを準備する

  • Steinberg Cubaseシリーズ
  • PreSonus Studio Oneシリーズ
  • Cakewalk by BandLab.(SONAR)
    • かつて5〜6万円で売られていた高性能DAWがなんとフリーに。マルチ音源TTS-1付属。

作曲

発注書などを元に、いよいよ作曲にとりかかる。

どのようなBGMが求められているのか

発注者の思い描いているイメージをできるだけ理解してから作業に入るのが望ましい。
  • BGMの流れるシーン
  • BGMのジャンル・雰囲気は?
  • BGMの長さはどのくらい?
とはいえ発注者自身がBGMの詳細なイメージを持っていない場合も多い。
VIPの企画では「○○のテーマ」とか「日常」とかアバウトな発注も日常茶飯事だ。
そんな時こそゲームの企画書や仕様書にしっかり目を通し、ノベルゲームであれば該当シーンのシナリオを熟読し、そのシーンにマッチする曲はどういう感じだろう?と想像力を働かせてみよう。

ゲームの舞台(シーン)に曲調を合わせる

ホラーな雰囲気の舞台なら曲調もホラーな雰囲気が合うし、明るいアクションゲームなら曲調もアップテンポで元気な感じがマッチする。
BGMはゲームの雰囲気や印象を支配する。
ホラーゲームで、物陰からゾンビが出てきそうな古ぼけた暗い洋館のBGMがリオのカーニバルのような快活なサンバだったらどうだろうか。恐怖心が薄れるどころかギャグにさえ感じるだろう(意図的に演出する場合もあるかもしれないが)
BGMで雰囲気をぶち壊さないようシーンに合わせた曲調を意識しよう。
和風をモチーフにしたゲームであれば、和楽器や和風に聞こえる音階(ペンタトニックコード)を使うなど工夫すると良いかもしれない。
バイオリンやフルートなど西洋の楽器で和風の音階を演奏しても充分和風に聞こえたりする。
まずはソフトの初期設定
  • テンプレートを作っておくと捗る
  • ゲームの雰囲気に合わせる
  • 引き出しをたくさん持つと良い

作曲作業


作曲する場合には、人によって、メロディが先かコード進行が先か作る順番違う。
メロディは知っている人は多いと思うが、コード進行は作曲に詳しくない人は知らない人もいるので説明すると
伴奏で鳴らす和音、ドミソなどの組み合わせのこととコードといい、そのコードをどういう順番でならすかをコード進行という。
コード進行は曲の雰囲気を左右する。音楽を演劇に例えると、メロディが演技をする俳優でコードは背景となる舞台と言われる。
悲しそうなメロディなら悲しい響きのコードが、オシャレな曲ならオシャレな響くのコードがならされる。
初心者はメロディ先の方が作りやすいと言われているのでメロディから作る方法を書く。

準備

作曲するソフトによって差があるとおもうが大体共通する順番に書く
拍子を決める。
大体のソフトは四分の四拍子が初期設定になっているが
BGMでは四分の四拍子が基本で数も多いので
慣れないうちはこのまま四分の四拍子で曲を作った方がいい
テンポを決める
大体のソフトは120が初期設定になっている
これは一分間に120拍打つ速度で大体標準的な速度で
例えば80だと遅くて160だと速く感じる
これは好みで変えていいが
曲が出来てからでも自由に調整出来るので
とりあえず120のままでもOK
調を決める

調といっても分かりにくいが、最初は明るい曲は長調で暗い曲調は短調ぐらいに覚えておけばよい。
長調の曲を作るときは、ドから始まる白鍵盤だけ、押したメロディを奏で
短調の曲はラから始まる白鍵盤だけ押してメロディを奏でればよい
慣れないうちは黒鍵盤をつかう調の曲は作らない方がいいだろう

またテクニックとして音階にも触れておくと
普通は長調の場合はドレミファソラシを使うが
例えば、これからファとシを抜くと民族音楽風になる。四番目と七番目を抜くことからヨナ抜き音階と呼ぶ
短調の場合は音階はラシドレミファソだが、同じくファとシを抜くと、和のテイストが強くなる。
二番目と六番目を抜くのでニロ抜き短音階と呼ぶ
ニロ抜き短音階は東方の音楽でよく使われているのでイメージが湧きやすいだろう
他にもジャズっぽい音階とか中国ぽい音階とかもあるがこれらは黒鍵盤を使わないといけないので慣れてから使おう
メロディを作る
まずメロディを奏でるリード楽器を決める。もちろんあとで置き換えられるので
デフォルトのピアノや適当な楽器でもいいが、一応曲調にあった楽器を選ぶとよい。
オーケストラだったらバイオリンとか、和風だったら琴とか
ホラーだったらオルガンとか、ロックだったらギターなど雰囲気に合わせて選ぼう。

大体のソフトで、ピアノロールと呼ばれる音階が列になっているところにノートを置いて作曲する。
列の高さが音の高さで、ノートの長さが音の長さになる

具体的にどうやればメロディが作れるのか説明するのは難しい。
ハミングしてみていいフレーズが出来たら、入力してみるとか
適当にノートを置いてみて作ってみるとかいろいろ試してみるといい。
伴奏を作る
メロディが出来たら伴奏を作る。基本的に伴奏はコードである和音を鳴らすことで成り立つ。
トラックを代えて伴奏用の楽器を選んで伴奏をつけよう

鳴らすコードは基本的にはメロディと共通する音の多いコードを鳴らすが、曲の雰囲気や展開によって変わる場合もある。
また、カデンツの法則のようなコードを鳴らす順番であるコード進行の理論もあって作るのが難しいが
あってないコードを付けるとなんとなくしっくりこないとか感覚で分かるのでがんばって調整しよう

基本的なコード
  • C(ドミソ)
  • Dm(レファラ)
  • Em(ミソシ)
  • F(ファラド)
  • G(ソシレ)
  • Am(ラドミ)
  • Bdim(シレファ)

基本的には、メロディと共通するコードを鳴らす。
慣れない打ちはメロディと混ざらないように一オクターブ下の音でならそう。
一章節の間、押しっぱなしの場合や、途中で別のコードを鳴らす場合、
同時押しを連打したり、アルベジオといって一音ずつバラバラにして鳴らすなどいろいろなやり方がある

たとえば、ドドミミミソシソというメロディだったら
Cのドミソをずっと鳴らしてもいいし、後半はEmのミソシを鳴らしてもいい
ドミソを同時に鳴らしてもいいし、ドミソド、ドミソドと一音ずつばらしてならしてもいい
音楽は感覚の面が大きいので実際に鳴らしてみてしっくりするものにしよう

また、コードを付けた結果、コードに含まれる音が高すぎて、メロディの音を重なってしまったり
低くて響いてしまう場合は転回といって、その音を一オクターブ上や下にずらしてもいいので
困った時には使ってみよう
ベースをつけよう
伴奏が出来たら、低音部であるベースを鳴らそう。
メロディや伴奏とは違うトラックでベース用の楽器を選んでならそう
基本的にベースはコードの基音を鳴らすので、伴奏を作ってからつけた方がつけやすい
(もちろんベースをもとに伴奏を作ってもいい)
基音というのはCのコードだったらドのように、そのコードの最初の音をつける。
伴奏よりもさらに一オクターブ低い音階で鳴らそう

ベースは一回だけならしたり、連打したり、メロディよりも単調にならすとそれっぽい
ドラム
大抵のソフトではドラム専用のパートがあって、音の高さを変える代わりに楽器の種類が変わる。
ドラムは結構ノリでつけるので、まずは、バズドラム、ハイハット、スネアあたりの楽器を選んで
適当に打ち込んでみよう。

どうしても適当が上手くいかないときは、1拍目だけ鳴らしたりとか、1拍目と3拍目だけならしたりとか
裏拍を鳴らしたりとか、まずは規則性をもった単調なら鳴らし方をして、徐々に変化をつけてみよう

本当にどうしてもうまくいかない時は、あらかじめドラムパターンが作ってある
ドラムループが入ってるソフトもあるのでそれを使ってみるのも手。

ミックス作業

  • 音の帯域を整えよう
  • 楽器の定位と広がり感
  • 楽曲のダイナミクス

完成・提出

  • ループBGMの場合の位置合わせ
  • 完成したBGM素材が仕様書に則っているか確認

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